さて今日も疑問が湧いたのでやって参りました。偶然ですが上にも清原選手についてのご質問が出ていますが、21日の巨人-阪神戦の後、清原選手が「2アウト満塁カウント2-3のときはストレートを投げるのが暗黙のルール」と言ったという記事を見かけました。
暗黙のルールというのは実際に存在するのでしょうか。
興行ですので何らかのルールはあって然るべきだと思われますが、あの場面でフォークボールを使った阪神バッテリーは卑怯なのでしょうか。
何だか深刻な書き方になってしまいましたが、人気のある清原選手の発言とも思えなくて、もしかしたら記者の捏造なのではと思ったくらいでした。
プロ野球の「暗黙のルール」についてお教えいただければと思います。よろしくお願いします。
記事(サンスポ)
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200504/bt2005042203.html
まず、清原のシーンの件について。
まー、ちょっとこのケースは難しいですね。
清原の言い分にも理があると思います。
・10−2だった。(満塁本塁打が出ても4点差)
・投手が藤川だった(150キロのまっすぐを投げられる投手だった)。
・試合自体の興味は薄れているのに多くのお客さんが残っている。
・・・こういう状況を考えれば、真っ直ぐ勝負をすべきだったと思います。
清原にしてみれば、フォークボールを選んで押し出し四球を狙う場面ではないのは明確だからです。
藤川にしてみれば
・東京ドームであり、清原の本塁打がでれば雰囲気が変わる可能性がある。(楽勝ムードが一変)
・実際、7点差を追いつかれた経験もあり・・(03年)
・まだ7回。
・・・こう考えると、まっすぐ勝負ではなかったのもうなずけますね。
藤川は清原に「真っ直ぐ勝負ができる投手」と認めてもらっていると思っていればよいのでは。
清原は強力打線の一員であることがアダでした。(清原しかホームラン打者がいない状況なら勝負したでしょう、当然)
要するに、「興行としてどちらが面白いのか」ということでしょう。
1点を争う攻防ではできないことが大量点差がついた状況でならできるということがあると思います。
清原は野茂にしろ、伊良部にしろ「なぜか真っ直ぐで勝負してもらったきた」と言う過去があるので、他の人よりも
「真っ直ぐ→正々堂々」「変化球→卑怯」という図式になっていると思います。
暗黙の了解・・
日本はそんなにないんじゃないかな〜。(メジャーはいろいろあるけど)
「死球を出したら帽子をとって謝る」とか?
これはマナーと言う感じだし・・
【関連する記事】
http://www.sanspo.com/tigers/top/tig200504/tig2005042204.html
>清原を抑えた岡田監督も「記念のホームランで弾みがつくと怖いから、藤川を一人だけいかせた」としてやったりの表情。力投したエース・井川に、なんとか初白星をプレゼントしようというベンチの願いが通じた。(引用ここまで)
で、清原選手の言い分も以下に。
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200504/bt2005042203.html
>試合後の通路で、清原は肩をいからせて息巻いた。直球勝負でかかってこんかい! 球界のマナーにかこつけた番長の“威嚇”は24歳、すでに2児の父の藤川だけでなく、今後対戦するすべての投手に向けられた挑発でもあった。(引用ここまで)
僕はタイガースファンなので、少し藤川投手の肩をもってみましょうかね(笑)。
たしか日本テレビでの試合中継の際に藤川投手の談話に触れていたと記憶しています。
「勝負したかったが、井川の失点になるということを考えた」と。
あの場面は井川投手がランナーを満塁にためてから藤川投手に交代しました。
ということは、あそこで仮に藤川投手が満塁ホームランを打たれると、入る4点のうちの3点は「井川投手の責任」になるんですよね。
当然、ただでさえ開幕から不調だった井川投手の「防御率」はさらに悪くなります。
(ちなみに「防御率ってなに?」というご質問に関しては過去記事をごらんください。
http://kyoukara.seesaa.net/article/2571865.html)
また、清原選手はジャイアンツのキーマンとも言うべき選手であり、彼が気持ちよく打つことによってジャイアンツが今後もペナントレースで調子に乗ってしまうということも考えたのでしょう。
しけたろうヘッドコーチがおっしゃるように、どちらの言い分もまぁ「もっとも」ですし、ファンの間でも意見がわかれるケースですね。
あと「暗黙の了解」については、「ヤクルトの藤井投手がそれを守らなかったがために野次られて泣かされた」という事件が過去にありました。
http://www.89yashiki.com/hige_01-5.htm
元プロ野球選手の屋敷さんは上のコラムで「そんなルールなどない!」と断言しておられますね。
というわけで、これらの件に関する皆様の自由なご意見や補足コメントよろしくお願いいたします。
屋敷さんのコラム大変参考になりました。
満塁でなかったら直球勝負でよかったでしょうね。満塁でなかったら。。。
興行という点で言えば、私はあの勝負メチャクチャ見ごたえありましたよ、これぞプロって感じで大満足なのですが(^^)
発言が挑発・軽口で言った内容を記者が真面目な風にして
かき混ぜてるだけだとと思いますよ(多分)
冗談が通じないと言うか、揚げ足取りと言うか・・・・
日本には「暗黙のルール」なんて無い筈です。
●2 ストレート 143km/h 外角高目 ボール 0 2 2 ←ストレート見送り
●3 ストレート 145km/h 外角低目 見逃し 1 2 2 ←ストレート見逃し
●4 ストレート 146km/h 外角低目 空振り 2 2 2 ←ストレート空振り
■5 フォーク 132km/h 内角低目 ボール 2 3 2 ←イヤッッホォォォオオォオウ!
■6 フォーク 133km/h 内角低目 空振り 3 3 3 ←なんでフォークやね〜んw
どこが真っ直ぐ勝負じゃないんだよ。真っ直ぐが打ちたいんなら3,4球目を打てばいい話。真っ直ぐ待ちのカウントでもあったし。
清原の自分の記録のための八百長要求に対して、一理あるなんて本当に思ってるの?
勝負に関係無く江川以外の全員が敬遠しまくったことがありますね。
これは暗黙の了解以前の問題だと思うのですが・・・。
プロ野球界での暗黙のルールというものがあれば野球の見方も変わってくるのではと思い質問いたしましたが、日本ではあまり見られないものなのですね。しかしファンの間でも意見が分かれる問題であるのは当然だろうと思います。
21日のケースは、明文化できないルールと私自身の感情的なものとがごっちゃになったままで書き込みに来てしまいました。にもかかわらず丁寧にご回答くださいましてありがとうございました。
>カネシゲ監督さま
野球のルールについてまだまだ理解が不足しておりますゆえ、井川投手の自責点となるというのがなるほど良く分かりました。ありがとうございます。
また、屋鋪さんのコラムはいつもとても明快ですね。屋鋪さんは現在はジャイアンツ2軍のコーチでいらっしゃるようですが、2軍の選手には清原選手のケースをどういうふうに説明しているのかちょっと気になりますね(屋鋪さんに対する皮肉ではなく、純粋に疑問です)
>risa-ferunandesuさま
頭の中が疑問符でいっぱいでしたので、そして虎贔屓としての感情的な暴走もあり(笑)朝を待たずに書き込みに来てしまいました。
私もあの場面はとても見ごたえがあったと思います。
・清原の今回の発言は一分の理もないでしょう。
そんな「公然のルール」はないし、あったとしても皆に知られていなければ
それは「公然のルール」じゃなかったって事で。
・と言っても、目くじら立てようとも思わない。
まぁ、打てなくて何かに当たったり負け惜しみ言う事も、
よくある事でしょう。カッコ悪いとは思いますけど。
周りが騒ぎ過ぎ、なんです。
・タイトル争いの敬遠と同列に論じている方もいますが、
全然次元が異なる話でしょう。藤川選手は勝負していて、
素晴らしいボールを投げたのですから。
(あの場面でフォークをストライクゾーンに投げられると
150キロを投げるピッチャーですから打てるバッターは居ないでしょう。)
・原さんは解説でフォークを投げた事を褒めていたそうです。
多分、原さんなら、清原発言に対しては苦笑しながら
「悔しかったんだろうな、キヨ」って言うと思う。
・だから、虎ファンは「負け惜しみ言ってる。カッコ悪い」
くらいに受け取っておけば良いと思う。
・桑田は、彼自身が「勝負に辛くない」選手ですからねぇ。
ああいう場面でストレートにこだわる「美学」を持っている。
だから、ああいうコメントをしてるんでしょう。
もっとも、その「美学」を他の選手に押し付ける筋合いはないでしょう。
・それだけ、藤川のストレートとフォークのコンビネーションがすばらしいのだと思うことにしましょう
・井川のことまで気を使う球ちゃんに胸キュンしましょう
<巨人ファンの方へ>
・どうせならストレートでもフォークでもどっちでもうったるわい!という気概をみせろ!と叱咤激励しましょう
・2−10で大敗中の場面での500号より、勝負に直結する500号のほうがカッコイイと思って楽しみにしましょう
------------------ 蛇足 ------------------
<わし>
それよりも谷が打たないことのほうがよっぽど気になるわけだが
------------------ 蛇足 ------------------
私は巨人ファンであり、キヨさんのことも応援しています。
だからこそ、言いたい。
あれは「真っ向勝負」と呼ぶべきものだったと思います。
なぜなら、非常に緊迫した、見応えのあるシーンに見えたからです。
選手は、チームが勝つために戦っています。
それは選手自身がよく口にしていることなのです。
そしてそれは、相対するチームも同じこと。
投手にしてみれば、一球の投げ損じがすべてをひっくり返してしまうかもしれません。
一球一球が大事。
打者は、たった一撃でチームに光を灯すことも不可能ではありません。
やはり、一球一球、しかと見極め、さばかなければならないでしょう。
どうしてストレートじゃなきゃならないのか?
相手の思い通りの球を投げて、それを相手が打って、500号というメモリアルを決められて、それでピッチャーもバッターも満足でしょうか?
負けるが勝ち?ふざけるな、と言いたいです。
少なくとも、私はそんな戦いを見たって面白くもなんともないのです。
自分の武器があるなら勝つためにそれを活かす。
当たり前のことなんじゃないでしょうか。
私の場合、暗黙のルールの有無・是非よりは、それを見て面白いか面白くないか、という観点ですね。
あの場面、キヨさんが上手くさばいていたなら、文句なくかっこいいのですが。
以上、野球ファンですが野球人ではない巨人ファンの意見でした。
そして過剰反応しすぎ→(私も)
以来、似たようなことが何度も繰り返されていますが、そのたびに思うのは「清原は素直というかなんというか、かけ引きということができない人なのね」「彼はよほど変化球が苦手なのね」。
「引退目前の投手が、ゲームの大勢に影響ない場面で最終登板する場合、打者は三振する」というのはあるかな、と思います。
最近だと、あれは2001年かな? 読売−横浜戦で、まだ横浜にいた谷繁捕手が、槙原投手か斎藤投手か、どちらか相手に三振したシーンがありました。横浜が大量リードしていた試合の終盤だったはずです。
特に槙原投手は、明らかに力のないストレートで、ちょっと悲しくなった記憶があります。
それから昔、阪急ブレーブスの大エース・山田久志投手が、「開幕投手は第一球目はストレートを投げる。打者はストレートだとわかっていても、それに手を出してはならない」と言っていたような。
もちろん、そんなことを言っていたのは山田さんだけです(笑)。暗黙の了解ではありません。
やはり、「試合の大勢や、ペナントレースに関係ない場面」というのが前提。
ある選手が、なにがしかの大記録がかかっている場面で、相手チームの選手が「ちょっとした」アシストをする場合がある、というものです。
広島時代の金本選手が、トリプルスリー(打率3割・ホームラン30本・30盗塁)の記録を掛けた場面。既に3割・30盗塁はクリアし、後はホームランを1本打てばよい、という、シーズン最終打席。金本選手は見事にホームランを打つのですが、このとき、古田捕手がストレートばかりの配球をした、と言われていました。
ポイントは、「試合の大勢にもペナントレースにも関係ない」「記録達成には、もう後がない」「ストレートばかりの配球をしても、ホームランを打てるとは限らない」ということでしょうか。これだけの条件が揃えば、古田捕手の配球は「八百長」ではなく、「イキなはからい」として語られるし、見事にホームランを打った金本選手も、その勝負強さを讃えられるのだと思います。
ただし、古田捕手はこんな「イキなはからい」などせずに、全力で金本選手も抑えにかかったとしても、もちろんよかったはず(非難されるような要素はなかったはず)です。その点、「暗黙の了解」とは異なるのだと思います。
ましてや、シーズン途中で、記録達成にはまだまだ充分チャンスがあり、試合の大勢を左右する(4点差、つまりワンチャンスで同点になりうるような局面になる)場面では、このような配慮は必要ありません。
問題を再燃させるのではなく、↑までの皆様のご見解を裏付けになるかな、と思いましたもので。
関西ローカル番組「虎バン」(公式サイトhttp://www.asahi.co.jp/toraban/)で藤川選手の特集が組まれた際、やはりこの件についても、大きく取り上げられていました。
その際、藤川選手は、インタビューに対してこう答えておられました。
(些か記憶があやふやですが、内容は大体こんな感じだったかと。間違ってたら訂正お願いします)
「(真っ向勝負を求められたことに)自分がそれだけの存在だと認めてもらえたのは、嬉しかった」
「あれ以来、意識してストレートを投げるようになりました」
そして先日6/25の阪神対巨人戦、再度巡ってきたこの対決に、ご注目された方も多いかと存じます。
清原発言を大きく取り上げた(笑)サンスポに、こういう記事が載っていました。
SANSPO,COM 6/25付分より
http://www.sanspo.com/tigers/top/tig200506/tig2005062602.html
記事のタイトルが「らしい」なあ、とも思いつつ……(苦笑)
という訳で、皆様が冷静に解説されていらっしゃるとおり、先の発言はやはり「選手それぞれの認識の違い」と捉えた方が良いのではないか、と、改めて申し上げたいと存じます。はい。