2004年12月08日

6 初芝清

<画像募集中>
初芝清
千葉ロッテマリーンズ 6
内野手 38歳 右投右打
181センチ 95キロ
率0.282本6点21試61
<率0.265本231点873試1698>


偉大なるファンタジスタ初芝清先生は1967年2月26日東京都でお生まれになりました(埼玉県富士見市でご生誕との説もあります)。
幼少の頃から類稀なる野球の才能を発揮、名門二松学舎大付属高校に入り、2年時からエースで4番となります。
しかし、2年時は不祥事による出場辞退で甲子園への道を断たれ、3年時は東東京大会4回戦で春の選抜優勝校岩倉高校をご自身の逆転ホームランと好リリーフで下し、決勝まで進出しながらも、日大一に1−3で敗れ、あと一歩で甲子園出場を逃されます。
高校卒業後は社会人の東芝府中に入社され、野手に転向。その強打で決して名門とは言えなかった当時の東芝府中を3度都市対抗へと導かれたのでした。

88年の都市対抗予選で与田(NTT東京→89年中日ドラフト1位)から放ったホームランの凄まじさについて、当時東芝府中に勤務していた日没閉門氏(競馬ライター)はこう騙って語っています。
「今まで見たアマチュア選手のホームランの中で一番凄かった。与田もプロに行く選手だと思ったが先生は明らかにその上を行っていた」

同年のドラフトでロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)から4位指名を受け入団。2年目に18本塁打を打ち、レギュラーの座を掴むと、1992年の千葉移転後はコンスタントに二桁本塁打を放ち、90年代を通じて打の主軸として活躍されます。
95年には打点王を取り、99年にはシドニー五輪アジア地区予選で全日本の4番もお務めになりました。
年間を通じた成績だけ見ると、意外と平凡に見えるかもしれませんが、シーズンが押し迫った9月以降の打棒の凄まじさはもはや神の領域に達しています。
特に相手チームの優勝がかかった試合での先生は世界一のスラッガーと言っても過言では無いでしょう。マジック1でマリーンズと対戦するチームはことごとく初芝先生の強打の前にその野望を断たれたのでした。
先生の打棒はシーズンが終了に近づくに連れて迫力を増していきます。例年ほとんど試合がないのですが、10月だけの成績をとると明訓高校時代の山田太郎に匹敵するような成績を残しています(やや誇張)。
正に日本のミスター・オクトーバーと呼ぶべき存在と言えるでしょう(嘘)。

このように押しも押されぬ日本を代表するスラッガーとして評価を高めたためか、イチローがメジャー移籍した際には、ESPNが間違えてイチローの特集記事に先生の写真を掲載してしまうという珍事件も起こりました。
(ひょっとすると、あれは単純なミスではなく、アメリカが欲しているのはイチローじゃなくて初芝先生だというメッセージだったのかもしれません)。

しかし、先生が千葉ロッテマリーンズファンから愛されているのは、それだけが理由ではありません。
近年、加齢による衰えもあってか、先生の成績は今ひとつ振るいません。
昨年はわずか61試合の出場に留まり、サードのレギュラーの座も、若い今江に奪われつつあります。

それでも、マリーンズの本拠地千葉マリンスタジアムで、初芝先生以上にファンに大きな拍手を持って迎えられる選手は他にいません。

一打逆転というチャンスで代打に初芝先生の名前が告げられたときのスタンドのどよめきと声援。
それは「一発逆転打を頼むぞ!」という期待を込めた声援だけでないことは確かです。

先生は外の変化球を当てるのは巧いのですが、足が遅いため併殺打が多いのが欠点です。
ここぞというチャンスに併殺打を打つことが多いのも、先生の特徴です。
スタンドのファンは皆それを知っています。だからどよめきが起こるのです。
そして、期待に応えて(?)見事併殺打を打つと、スタンドからは罵声よりも大きな笑い声が聞こえて来るのです。

また、181cm 95Kgというプロフィールを見てもわかるように、先生はちょっと太ってらっしゃいます。
あまり俊敏な動きは得意ではありません。
なので、守備は少し苦手です。
ポジションはサードですが、基本的に先生の守備範囲はサードベース際1mくらいの範囲で、あとはショートの小坂選手がカバーします(小坂選手は日本一勤勉なショートです)。

マリンスタジアムは風が強いのでファウルグラウンドに打ち上げられたフライは風に流され予期せぬ方向に舞います。
それをドタバタとした足取りで追いかける初芝先生の姿はこの上なくキュートです。
先生はフライを捕るのがことのほか苦手でいらっしゃるようで、自分で捕りに行かれるとよく落とされます。ということで、大概の場合は小坂選手がカバーすることになります。
偶に小坂選手を制して先生がファウルフライを見事キャッチしようものなら、スタンドからは割れんばかりの大歓声が沸き起こります。
このマリンスタジアム独特の風に舞う華麗な舞は、マリーンズのサードベースマンの一子相伝の芸として後継者の今江選手にも受け継がれているようです。

こういった数字には表れない部分も先生の魅力の一つなのです。
先生が一部のファンから親しみを込めて「ファンタジスタ」と呼ばれる所以はそんなところにあります。

私の拙い筆力ではとても初芝先生の偉大さを全て伝えることはできませんが、この紹介記事で先生の魅力の一端でも伝えることができればと思い筆を取った次第です。
この記事で初芝先生にいささかでも興味を持っていただければ、この上ない僥倖です。

興味を持たれた方は是非聖地マリンスタジアムへ赴きましょう。
運がよければ、そこで、貴方は初芝先生の真の偉大さに触れることができるはずです





posted by しけたろう at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | みんなの選手名鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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