横浜ベイスターズ
〜きまぐれで常識はずれのノリと爆発力〜
〜きまぐれで常識はずれのノリと爆発力〜
2004年の7月25日。横浜スタジアムで行われた、横浜ベイスターズvs読売ジャイアンツの試合のことだ。
この日、横浜は3回までに8−0とリード。ところがジャイアンツも粘りを見せ、8回にはついに8−8の同点に追いつく。試合は延長へ。
10回表、2日続けて2イニングを投げることになった中継ぎエース・川村丈夫投手が、小久保選手にホームランを打たれる。ジャイアンツがついに逆転、9−8。
8点差をひっくり返したジャイアンツ。普通なら、ここで勝負も決まるはずだ。
だが、結果は違った。10回裏、2アウトから村田選手のホームランで再び同点に追いつくと、11回裏に、金城選手にサヨナラホームランが飛び出し、なんと横浜が勝ってしまったのである。
2004年、江藤・小久保・ペタジーニ・ローズ(アイウエオ順・敬称略)という4人の「本塁打王・打点王、両方の経験者」を擁し、さらにはプロ野球史上13人しかいない「400号本塁打達成者」の1人である、清原選手まで擁していたジャイアンツ。マスコミはこぞって「史上最強打線」とはやし立てたものだ。
その「史上最強打線」に、打ち勝ってしまう、最下位チーム。
8点差をひっくり返されるのも常識はずれなら、さらにそこから再逆転してしまう、常識はずれのチーム。気まぐれだけど、底の知れない爆発力を持つチーム。
それが、横浜ベイスターズだ。
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史上最強打線。マスコミがなんと言おうと、僕にとっての史上最強打線は、権藤監督時代、1998年から2000年の横浜・マシンガン打線だ。投手を含めて、チーム打率が2割8分前後(1999年は2割9分4厘。もう一度繰り返すけど、’投手を含めて’のチーム打率である)。
ホームランは少なくても、一度火がついたら、切れ目なく・容赦なく、シングルヒットや二塁打を浴びせ続け、常にスコアリングポジションに走者を置き続ける。マシンガンとはよく言ったもので、相手チームは、心理的に「蜂の巣」にされる。
それもコツコツ当てる、とかじゃなくて、全員常にフルスイング。快音が球場に間断なく響き渡る。ホームランは一瞬で終るけど、マシンガンは終らない。
その当時の中心メンバーは、今では石井琢朗選手・佐伯選手・鈴木尚典選手(アイウエオ順)。後はスーパーサブの万永選手と、かろうじて2000年に名を連ねた金城選手、そして当時はなかなか力を発揮できなかった多村選手を残すだけになっている。
とは言え、今は欠点が目立つけれど、若くて将来楽しみな打者が多いのも確かな話。
勝負弱いけれど、長打力が魅力の古木選手・村田選手。勝負強さは申し分ないけれど、体が弱い内川選手。勝負強さも長打力もあるけれど、経験不足の吉村選手。ちなみに全員、守備には多少の難あり。
中心となってほしいのは、走・攻・守プラス肩と長打力を兼ね備えた「5ツールズ・プレイヤー」(本人は、これに「ファッション」を加えた6ツールズ・プレイヤーを目指しているそうだけど)の、多村選手。ただし、彼の場合、体が弱いのが最大の欠点。(2004年は、シーズン前のポスター撮影で足首をネンザしたり。この手の話は枚挙にイトマがない。)
ここに、2004年はプロ入り12年目にして、最後まで首位打者争いに食い込んだ佐伯選手や、同じく2004年セリーグの最高「得点圏打率」(チャンスに強い、ということ)を記録した種田選手らベテランががっちりかみ合えば、とても楽しみなところだ。
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打線の話ばかりしてきた。実のところ、伝統的に、横浜ベイスターズは投手力に欠けるチームだ。
僕が子供のころ、横浜大洋ホエールズ時代・1980年代には、遠藤一彦投手という、スタイル抜群でしなやかで美しくてかっこいいエースがいた。83年・84年のセリーグ最多勝投手だ。
98年に優勝したときは、大魔人・佐々木投手という優秀な抑え投手がいたので、彼が登板する9回以外の8イニングを、名ピッチングコーチでもあった権藤監督が、うまく投手をヤリクリして埋めていったものだ。
今でも、絶妙のコントロールを武器にした粘りの投球の三浦投手を筆頭に(リーゼントヘアが、あまりに衝撃的なため、「ハマの番長」と呼ばれている)、サイドスローから150km/hの速球を投げ込む加藤投手や、調子がよければ伸びのあるストレートだけで打者をねじ伏せられる川村投手など、キャラクターは揃っている。
しかし、絶対的な武器となるボールに欠けたり、スタミナがなかったり。他には、勝負どころに弱いピッチャーが多かったりと、ある一線を越えられない投手が多いのも事実。
このキャラクターを、権藤コーチにも薫陶を受けている牛島監督が、いかにまとめ上げていくかが、2005年の見所だ。
気まぐれなノリで、常識はずれで、底知れない爆発力を持つチーム、横浜ベイスターズ。今年も応援しますよ。
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