からの質問です。
さて、もうひとつ質問です。投手が投げる球種について、わからない事が多いんです。
「ストレート」は真っ直ぐ、ですよね。
「フォーク」は落ちる球、っていうのはわかりますが、なぜ落ちるのか、その仕組みに関してはさっぱりです。
「カーブ」「シュート」「スライダー」「シンカー」・・・となると、「曲がる球・・・?」くらいしか言えません。
「この変化球はここからこう曲がる!」みたいな明確なものがあれば、ぜひ教えてください。
変化球・・
名前は聞いたことがあるけど、どういう変化をするのかはよく分からないという人は多いと思います。
というわけで、ここでは、「どういう変化をする球種なのか?」ということを中心に説明したいと思います。
握り方などは省略。
よく解説などで使われるメジャーなものを中心にしています。
その前に説明に出てくる用語解説
・内角、外角
投手が投げるコースで、打者の体に近いほうを内角、遠いほうを外角といいます。
・緩急
野球ではスピードの遅いボールと速いボールの投げる順番を効果的にすることによって
打ちとることを考えます。

右投手が投げた場合の
スライダー・カーブの変化方向
(イメージ・投手目線)
・スライダー
現在、プロ野球のほとんどの投手が投げるのでは。
右投手の場合左方向(左投手の場合右)に変化する球種。
右投手が右打者の外角に投げられれば、逃げていくボールとなるので打ちにくい。
マスターしやすく、高校生でも投げる人は多い。
「高速スライダー」「タテのスライダー」など進化形もある。
・カーブ
かつては、変化球の代名詞的存在だったが、今は投げる人が少なくなった。
スライダーと同じ方向に曲がって、
スピードが遅く、曲がりが大きいイメージ。
タテに曲がる「タテのカーブ」というのもある。
「緩急」の「緩」で使うことが多い。
参照:カーブを投げなくなった・・という話
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/article.php?storyid=3210
・カット(ファスト)ボール
メジャーではファストボール(速球)の一種という捉え方だが。
ホームプレート上で(スライダーと同方向に)速く、小さく曲がる。
バットの芯をはずし、ゴロを打たせるのが狙い。
よく投げる投手は
川上(中日)、藪(アスレチックス)、リベラ(ヤンキース)など。
最近、投げる投手が増加傾向

右投手が投げた場合の
シュートの変化方向
(イメージ・投手目線)
・シュート
右投手なら右方向、左投手なら左方向に曲がる球種。
右投手が右打者の内角に投げられれば、手元に食い込んでくる感じでうちにくい。
投げるのが難しいと思われているのと、故障につながりやすいと思われている・・ということで、投げる投手は(比較的)少ない。
投手が疲れてきたり、調子が悪い場合、「ボールがシュート回転している」という言葉が解説でよく使われる。
この場合は、意図的にシュートさせているわけではない。
自然とそうなってくる。
「シュート回転」がなぜ悪いかというと、
右投手が右打者の外角低めに投げようとした場合、
シュート回転していると、ボールが真ん中にむかっていく変化となるから。(これは打ちやすい)
・シンカー
右投手なら右、左投手なら左に曲がりながら、落ちていく球種。
右投手が左打者の外角に投げれば、逃げながら、落ちていく球となり、非常に打ちにくい。
左投手の場合、「スクリューボール」ともいう。
左投手が右打者の外角に投げれば、逃げながら、落ちていく球となり、非常に打ちにくい。
シンカーをよく投げる投手:高津(Wソックス)
スクリューボールをよく投げる投手:山本昌(中日)、石川(ヤクルト)、高橋尚(巨人)
・フォークボール
これも今は投げる投手が多い。
ボールを指で挟んで投げて、「落ちる球」。
今は、浅く握ったり、「数種類のフォーク」を投げる投手も増えた。
フォークが武器の投手:佐々木(横浜)、上原(巨人)
・チェンジアップ(サークルチェンジ)
カットボールとともに90年台に流行したボールで、現在でもメジャーリーグでもっとも人気のある変化球(チェンジアップの改良型)といってよいだろう。
その理由は速球と同じ腕の振りで投げられるために、バッターに球種を悟られにくく、緩急でタイミングを外すのに効果的なのと、ヒジへの負担が少ない点にある。
弱点としてはコントロールのしずらさがあるが、それを克服すると、素晴らしい武器となる。シンカーと同じく、右投手なら右に、左投手なら左に沈んでいき、バッターのタイミングを外し、バットの芯を外した当たりでゴロを誘発させる。
チェンジアップが武器の投手:井川(阪神)
どの球種がどちらの方向に曲がるボールかというのは、テレビゲームをやれば簡単に覚えられます。
今は、一人の投手で5〜6の球種を持つの当たり前という感じですね。
「持ってる」というだけで、打者がしぼりにくくなりますから。
どうして、そういう変化をするのか?ということに興味があるかたはこういう本も出ていますので
読んでみましょう。
【関連する記事】
おおざっぱな分類です。
●腕を振った方向に曲がる球
(右投手が右打者に投げたときの外角方向)
カーブ、スライダー、カットボール、スローカーブ、ドロップ
●腕を振った方向と逆に曲がる球
(右投手が右打者に投げたときの内角方向)
シュート、シンカー、スクリュー
●落ちる球
フォーク、チェンジアップ、SFF、パーム、ナックル、縦スライダー(Vスライダー)
●おまけ
ライズボール^^;<浮き上がる感じ。ソフトボールのみの球種
※曲がりながら落ちる球は、曲がる方向の分類にしました<カーブ系、ドロップ、シンカー、スクリュー
・よく回転するボールは空気抵抗が少なくて地面に落ちるのが遅い
・逆に、あまり回転しないボールは空気抵抗が大きいので地面に落ちるのがはやい(落ちやすい)
・フォークボールの握りで投げると、ボールがあまり回転しないので空気抵抗が大きく、打者から見て鋭く落ちていくように見える
という感じです。ナックルやパームも理屈としてはだいたい同じです。
以下に、もっとマニアックな話もあります。よろしければどぞ…(非常にややこしい)
http://homepage3.nifty.com/iromono/kougi/ningen/node28.html
http://www2.athome.co.jp/academy/physics/phy05.html
http://www.fit.ac.jp/~mizota/kenkyu/forkball/forkball.html
実際問題として、変化球の曲がりってわかりますか?俺は全然・・・なんですけど。
問題なく分かると思います。
球場観戦では、やはりよい席でなけなければ分かりづらいでしょうね。
プロ野球なら球速表示が出ますので、それらと
総合的に判断するのが良さそうです。
松坂(ライオンズ)のスライダーをカーブって言う解説者も多いですし。
実際、変化球なんて【言ったもん勝ち】な部分もあるので・・・
で、変化球なんですが、基本はカーブ・シンカー・フォークです。
この3つからの派生種が多いので、混乱してしまう事もあるかと思います。少し整理してみます
もちろん、投げ方、変化は個人差があるので、一概には言えませんが、ここでは僕の経験で整理してみたいと思います。
*カーブ系
<カーブ>
投げた腕と反対方向(右投なら左方向)へブレーキを効かせつつ曲がり落ちる球。
投げ方としては右側へ回転軸(以下:軸)をずらし、ボールを深く握り、投げる瞬間に指を鳴らす(ポール牧の様に)ようなイメージでリリースする。
ボールを浅く握り、軸を少し立てるとスライダーの変化になります。
また、ストレートの握りでカーブのようなリリースをすれば高速スライダー、
ストレートから軸を少し倒し、ストレートのリリースをすればカットボールのような変化になります。
*シンカー系
<シンカー>
カーブとは逆に投げた腕の方向へ曲がりながら落ちる球。
投げ方は左側へ軸をずらし、ボールを深く握り、投げる瞬間に親指が下を向くように内側へ腕をひねる(腕相撲で相手を倒すように)ようにして、ボールを中指と薬指の間から滑り出させる。
ボールを浅く握り、軸を少し立てて、ストレートと同じように指で弾いた投げ方をすればシュートになります。
また、人差し指と中指の長さが同じ位の人は、ストレートの握り、腕の振りで、リリースの瞬間だけ中指から力を抜き人差し指に力を入れることでシュートになったりもします。
(無意識にそうなってしまうとシュート回転といわれたりします。普通は中指の方が長いので、最後に力がかかるのは中指になり、ストレートでもややスライド回転になる)
小宮山(マリーンズ)曰く「体の使い方としては実は1番負担のかからない変化球はシュート」だそうです。
実際、肩を回してみると体の前まで腕が来た時、掌は真下ではなく、外側を向いているためだそうです。
*フォーク系
<フォーク>
人差し指と中指でボールを挟み、リリースの瞬間ボールを抜くようにして投げる為、回転数を落とし、ボールに落差を与える球。人によっては親指や薬指で支えて握る人もいます。
リリースの瞬間に中指に力を入れれば腕と反対方向へ、人差し指に力を入れれば腕の方向へ曲がりながら落ちる球にする事もできます。
基本的に「抜けた球」である為、コントロールは難しい球であるといえます。
フォークとストレートの中間ほど指を開き親指で支えて投げるとSFFとなります。
親指と小指で挟み、抜いてリリースするのがパーム、
他3本の指を添えて投げるとチェンジアップ、
また、3本の指の爪を立てるようにボールにかけるのがナックルとなります。
但し、先ほども言った通り、変化球は【言ったもの勝ち】なので、たとえ、フォークの握りで投げても、斜めに落ちたのでカーブと投げた本人が言ってしまう場合もあります。